2016年5月29日より いよいよ施行、改正保険業法


2016/05/01

 2014年の5月に改正された保険業法が、いよいよ今月29日より施行となります。
 今回は主な改正ポイントなどを改めてチェックしてみましょう。


■法改正の背景

 今回の改正の背景として、保険商品の多様化、そして保険商品販売形態の多様化があります。いわゆるネット保険と呼ばれるようなインターネットを介した販売方法の台頭、そして特定の保険会社ではなく不特定多数の保険会社の商品を扱う乗合代理店(ほ○んの窓口など、さかんにCMでみますよね)の出現です。
 顧客からするとより気軽に、多くの商品を比較して保険に加入できるようになった一方で、顧客のニーズに合っていない保険商品の販売や、乗合代理店に入る手数料の多い商品を優先的に紹介するといった事例が多発。消費者からのクレームが多発するのだと問題となっており、それらを受けて今回の改正へと至りました。


■改正ポイント

 1.意向把握義務

   保険募集に際し、従来は虚偽の説明を行ったり重要事項を告知しないといったことが禁止事項となっていました。
   本改正ではそれらに加え意向把握義務(294条の2)が導入。
   顧客ニーズを把握し、ニーズにあった商品を具体的に提示、提示プランがニーズと合致しているかの確認が必要に。
   インターネット等による対面しない販売形態においても、これらの顧客の意向の確認が必要となってきます。

 2.情報提供義務

   保険料、保険期間、保険金額、保険金支払条件といった判断材料となる情報を提供することが義務化(294条)。
   これまでは不利益な事実の不説明、誤解を与える比較表示、断定的判断の提供等が禁止されていました。
   これらに加えより積極的に顧客の判断を助けるよう情報提供が求められます。
   また複数の保険会社の商品を提案する場合には、比較可能な保険の概要と提案理由の説明が求められます。
 
 3.募集体制の整備

   従来は保険会社にのみ、募集体制の整備を義務付けられていました。
   保険募集人の実態把握や管理指導は保険会社を通じて行えば十分とされていたのです。
   これらの募集体制整備義務を乗合代理店等の保険募集人に対しても拡大されます。
   これまで保険会社のみが行っていた適切な業務運営のための社内規則等の策定等が必要となってきます。
   また保険募集の業務委託等を行う場合の委託業務の的確な遂行確保のための委託先管理等も必要となるでしょう。

 4.海外展開の規制緩和

   国内の保険会社が海外展開する際の買収規制が緩和されます(106条)。



■まとめ

 近年の保険業界の大きな変革に、ようやく法整備が追い付いたというところでしょうか。より顧客保護に重点を置いた内容となっています。一方で保険代理店は個人とか個人レベルに近い小規模な法人として営業を行うケースも多く(そういったお客様が弊社の印ターゲットのためこの話題を取り上げたのですが)、そういった方々にとってはかなり負担が増えるのかなあという気がしています。





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