改正金融商品取引法が施行
2016/03/01
昨年公布されました改正金融商品取引法が施行されました。
今回は主な改正ポイントなどを改めてチェックしてみましょう。
■適格機関投資家等特例業者への規制強化
2007年の旧証券取引法の改正、そして現行金商法の成立に伴い、一部ファンドの立ち上げ条件が緩和されました。
1名以上の適格機関投資家と49名以下のそれ以外の適格機関投資家等を対象としたファンドであれば届出のみでよく、厳格な審査も必要ないというものです。これを適格機関投資家等特例業者と呼びます。本来はベンチャー企業への資金調達の促進が目的だったようです。
このファンドのメリットは、募集対象に一人でも適格機関投資家(つまりプロ)がいれば、少人数であればの適格機関投資家等(つまり一般人、素人)から出資を募れるというもので、これを逆手にとってプロの機関投資家が名義貸しを行い、詐欺まがいの手法で一般投資家からお金を巻き上げるという事例が多発しておりました。今回の改正はこういった事案を念頭に置いたものです。
■改正ポイント
1.出資者範囲の限定
適格機関投資家等の範囲が金融商品取引業者、国、地方公共団体、届出業者、上場会社等に限定されました。
一般の法人でも、資本金5000万円以上など、かなりハードルはあがります。
個人ですと投資性金融資産1億円以上かつ証券口座開設1年経過とい条件が付きました。
つまり素人の一般個人は出資できないため、高齢者をだまして……というようなケースはなくなると思われます。
2.届け出事項・添付書類の拡充
3.欠格事由の導入
4.行為規制の拡充
5.問題ある業者への対応強化
■まとめ
改正ポイントの2から5は細かい内容は割愛させていただきましたが、ようはすべての面において規制がグンと厳しくなりました。今回の改正で悪用目的のファンド組成は防げるでしょうが、一方で非常に使い勝手が悪くなってしまい、この適格機関投資家等特例業者という制度自体ほとんどあってないようなものになってしまいましたね。とくに実質的に個人からの出資が大きく制限されるというのはかなり大きいと思います。