監査等委員会設置会社って?


2016/05/21

 正直なところ、弊社であつかう法人にはあまり関係ないのですが。
 一応私も経営コンサルタントなんで知らないと恥ずかしい、そんなお話。

 昨年5月に改正会社法が施行され、その時新設されたのが『監査等委員会設置会社』です。その監査等委員会設置会社に移行する企業が6月末までに累計600社に達する見込みだそうです。急速に導入が進む監査等委員会設置会社とはいったい何なのでしょうか?

■監査等委員会設置会社とは

 これまで、公開買社で大会社は監査役会を設置するか委員会設置会社(指名委員会等設置会社)となるかの二択しかありませんでした。しかし委員会設置会社は設置要件が厳しく、構成役員の数も多くなるためほぼ採用されてきませんでした。そこで、監査役会設置会社と委員会設置会社の中間的な機関設計として新設されたのが監査等委員会設置会社です。
 監査等委員会は3名以上の取締役で構成され過半数が社外取締役でなくてはなりません。そして監査役は置かれず、監査等委員が取締役として取締役会での議決権を行使し業務執行を監査監督していくことになります。また監査等委員である取締役の任期は2年であり、他の取締役の任期は1年で短縮は不可となっています。


■メリット

 監査等委員会設置会社の主な利点、メリットは以下の3つでしょう。

  ・役員数が少数ですむので機関設置がしやすい、
  ・監査役会よりは柔軟で実効性のある監査ができる
  ・社外役員数の負担が軽減されること等があげられます。


■役員をそろえる負担がぐっと少なくなります

 例えば指名委員会等設置会社では監査委員会以外に指名委員会、報酬委員会の設置が必要です。そしてそれぞれの委員会に3名以上の取締役を構成員として選任し、その過半数は社外取締役でなくてはなりません。
 一方で監査等委員会設置会社では指名委員会、報酬委員会は不要であり、監査等委員でない業務執行取締役が最低1名必要であるから、監査等委員3名とその1名で取締役は最低4名、そのうち社外取締役2名で足りることになります。監査等委員会の役員数は監査役会、委員会設置害者に比べてぐっと少なくなりますね。


■監査について

 いちおう肝心の監査についても触れておきましょう。監査役会設置会社では、監査役は取締役会に出席し意見を述べることができます。しかし取締役ではないことから議決権は認められず、取締役会の意思決定に介入することはできませんでした。 一方監査等委員は取締役であることから当然に取締役会で議決権を行使することができ、意思決定に介入して業務執行の監査監督の実効性を確保することができます。また監査役はそれぞれが独立して監査権限をもっていることから常勤監査役が必須となりますが、監査等委員会は委員各人ではなく委員会が監査権限をもち、組織的に監査を行うので常勤委員の設置は不要です。
 

■まとめ

 えー先に述べた通り公開会社(つまりは上場会社)での話なので弊社にとってはあまり関係のない話。
 とはいえこの導入企業の増加っぷりを見るに、大企業であっても社外取締役や社外監査役などの確保は負担だったようですね。なお組織がスリムになるので小回りは聞くようになるでしょうが、その分監査機能は低下することになります。会社の機関設計の際には、それぞれの機関のメリット・デメリットを総合的に考慮し自社にあう形を選ぶことが大事なのでしょうね。





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